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自動車ユーザーが納得していない法律は


今からでも即刻取り下げるべきだ


道路特定財源の非常識な使い道や、ガソリン税暫定税率の維持など、
その行方が注目されるなか、2008年3月17日の予算委員会で、
いけぐち議員が質問に立ちました。この問題の第一人者として、
『自動車ユーザーがなぜ引き続き暫定税率を負担しなければならないのか』を中心に、
大臣達を相手に議論を闘わせました。


福田内閣メールマガジンの『改革の果実の分配』の真意は?

 冒頭、いけぐち議員は、道路特定財源の質問に入る前に、春闘のさなか福田内閣から発信されたメールマガジンについて、サラリーマンの代表として政府の見解を質した。
 いけぐち議員が、「3月6日分のメルマガで、『改革の果実が、給与として、国民に、家計に還元されるべきときがやってきていると思います』という記述がありますが、これは国民に向かって何のメッセージを与えようとしているのですか」と、総理不在のため、大田内閣府特命担当大臣(経済財政政策)に答弁を求めると、
 大田大臣は、「賃金が伸びないのが、今の日本経済の大きな問題です。賃金は労使交渉が基本なので、政府にできることは限られていますが、なるべく賃金に波及させることで消費の厚みも出て、経済が持続的に成長するという、その雰囲気を少しでも作りたいという呼びかけだと考えています」と、頼りない答弁だった。
 それを受けていけぐち議員は、「大臣の答弁にもありましたように、賃上げに対して政府ができることはないので、政府が直接できることをやるべきだと思います。そのひとつは、定率減税です。大反対の中、法人税を上げないで定率減税だけ廃止しましたが、これを復活すべきだと思います。そして、最低賃金の引き上げと、超低金利政策からの脱却です。これを早急にやるべきだと思います」と、具体的な対策を提案した。
 すると大田大臣は、「まず、金利については日銀の専管事項ですので、コメントは控えたいと思います。最低賃金の引き上げについては、昨年末政労使で議論を展開した成果で、今年は通常より高い引き上げになりました。これを中期的に引き上げていけるように進めていきたいと思っています。税につきましては、税制全体の中で議論を進めていきます」と、明言を避けた。
 いけぐち議員は、「今の答弁では、国民に果実を配分するという意気込みが全く感じられません。金利は日銀の専管事項と言いながら、かつては政府から『金利を上げるな』という声が多発をしてきたという実態もありました」と政府の姿勢に苦言を呈した。


消費税5%に匹敵する自動車ユーザーの負担!

 本題に入り、いけぐち議員からは「特定財源の問題ですが、まず、今自動車ユーザーはどのくらいの税負担、さらには、高速道路でどのくらいの通行料を負担しているのか、この事実を確認したいと思います」と質したところ、
 宮田道路局長は、「道路特定財源については、平成十九年度当初の予算で約五・六兆円です。次に自動車税、軽自動車税、自動車重量税の一般財源分については、消費税を除いて合計約二・一兆円です。そして高速道路料金ですが、平成十八年度における各高速道路会社の料金収入の合計は、約二・五兆円になります。これらの数字をすべて足しますと、約十・二兆円になります」
graph_1 そこで、いけぐち議員が資料(1)を見せながら、「私も資料を作りました。消費税を入れますと、十一兆円を越える金額を自動車ユーザーが負担をしています。これは消費税の五%分に相当する金額を、自動車ユーザーだけがプラスして負担していることになります。この十一兆円の負担を、自動車ユーザーに求める理由を説明してください」と、重い負担を強いる根拠を質したところ、
 額賀財務大臣は、「自動車関係諸税はそれぞれの創設の経緯とか課税根拠があって、国、地方の貴重な財源となっています。現在は受益と負担の関係を前提にして、その税収の全部または一部が道路特定財源として充てられています。道路特定財源の充実を図って道路の建設を急ぐために、暫定税率を設定して今日に至っています」といつもの決まりきった答弁。
 いけぐち議員は、「受益と負担の関係で、道路整備を進めるための負担を自動車ユーザーにお願いしているということですね」と確認し、「もう一点重要な確認をさせていただきます。今回政府の案は、暫定税率を十年間続けるということですが、十年間続ける理由と、上乗せされている税率をどう計算して決定したのか教えてください」と、さらに問いただした。
 しかし、額賀大臣は「特定財源化することによって、戦後我が国は道路整備が相当進み、大きな役割を果たしてきたと思っています。同時に道路のニーズはもうないのかというと、そうではなく、渋滞の解消とか通学道路の整備、あるいは全国の主要な道路をネットワーク化していかねばなりません。このような道路の要求に対して、責任を持って計画的に対応していくために、十年くらいの期間が必要だということです。道路の整備を中心に、さらに日本の財政事情、環境への配慮などの視点から、税率水準の維持をお願いしています」とちぐはぐな答弁だった。


余剰がでるのに暫定税率の維持はユーザーへの裏切り行為だ!

 そこで、いけぐち議員が「今の説明では理解できないところがあります。この道路整備中期計画は、当初六十五兆円で出された予算が、五十九兆円上限と途中で変わりましたが、税率は全く見直しがされていません」と、説明を求めると、
 冬柴国土交通大臣は「整備すべき道路、十六にわたる政策課題、渋滞解消あるいは通学路の安全などすべて拾いますと、百兆円を超すような事業量が予想されます。しかし、厳しい財政状況にあるため、中期計画では六十五兆円と見積もりました。その後、財務省あるいは政府との打ち合わせによって一割相当減額し、五十九兆円を超えないということで合意しました。このような厳しい数字になっていますので、安定的な財源の確保のため、暫定税率の延長をお願いしているわけです。」
graph_2 すかさず、いけぐち議員は「しかし、五十九兆円は多すぎるという議論がされていて、与謝野前官房長官は、『四十九兆円くらいじゃないか』と発言しています。 資料(2)を見てください。平成十九年度国費が五・八兆円ですから、これをそのまま十年間延長すれば確かに五十九兆円になります。ただ、今までの政府の支出は、公共事業のシーリングが掛かっていて、毎年大体三%減です。仮に今後もマイナス三%する場合は、十年間でちょうど四十九兆円になります。そうすると暫定税率のバランスが取れなくなります。そのときはどうするのかお聞かせください。国土交通大臣は五十九兆円でも厳しいとのことですが、財務大臣は、五十九兆円を使おうと考えていますか」と、切り込んだ。
 すると、額賀大臣は「道路整備、環境に配慮すること、財務事情も考えて、本当に必要な道路整備を上回る分については、一般財源化を図るというのが今の政府案です。その中で、コストダウンなど様々な対応をする必要があると考えています。現在、五年間は一から三%シーリングをすると決められていますが、それ以降については考えられていません。財政事情や道路が、今後どう展開していくか検討する必要もあると思います」と、再三ちぐはぐな答弁だったので、
 いけぐち議員は、「今の説明は非常におかしいと思います。冬柴大臣は、五十九兆円を前提に今の暫定税率は合理性があるという説明をされ、五年後までは一から三%シーリングをかけるという確認もしました。そうすると、四十九兆円でなくとも五十九兆円は下回ります。それが分かっていながら、暫定税率を十年間延長する法律を出すということは、自動車ユーザーをごまかしている裏切り行為としか、私には理解できません」と激しい口調で訴えた。
 冬柴大臣は「ユーザーの理解を得ながら税率を維持し、そして一般財源を確保するという作業をずっとやってきたわけです。真に必要な道路は毎年査定され、道路整備、道路歳出費というものが税収よりも下回る場合には、その差額は一般財源化するという規定です。また、中期計画で掲げた道路整備費は大きな額が必要になりますし、高速道路だけではなく、通学路の歩道など様々な課題に応えなければならないので、シーリングで余っても税率を下げるということにはならないと思います」と、開き直りとも思える答弁だった。


自動車ユーザーだけでなく国民全体が受益者だ!

[チャート] どうなる?! 暫定税率


ユーザーが納得していると言うならその根拠を示せ!

 いけぐち議員は、「今の国土交通大臣の説明ですと、ユーザーの理解を得られる法案を出したことになると思います。しかも、差額は一般財源として使うのだと明言されました」と念を押してから、「しかし、自動車ユーザーは『道路整備以外に使うのならば、暫定税率を引き下げろ』という一千三十三万名もの署名を、随分以前に提出しています。さらに、三月十三日に自動車税制改革フォーラムが、『道路特定財源の問題は、自動車ユーザーの立場に立った議論を進めろ』という声明を出しています。ユーザーの理解は全く得られていないのに、この通りやるのですか」と、声を大にして自動車ユーザーの気持ちを代弁した。
 冬柴大臣は「予算は、単年度で真に必要な道路整備費はいくらなのか査定されます。それが税収を下回った場合には、その差額は一般財源として組み入れると言っているわけです。組み入れた額は、次の年の税収に上乗せされ、その額すべてが次の年に道路整備に使われるわけではなく、また真に必要な道路整備費はどれだけかを査定して、毎年変わっていくのです。それが十年たって、払っていただいた税金と整備した事業量とに差があれば、十一年以降に道路整備に充てるという法律の仕組みになっています。ユーザーの署名をいただいたときにも、それでご勘弁いただきたいと説明しております」と、言い訳ともとれる答弁だった。
 しかし、いけぐち議員は「説明したと言っても、それで納得はしていません。納得したのなら自動車税制改革フォーラムの声明は出ません。もう一度資料 (2)を見て欲しいのですが、三%シーリングを掛けると五年後には八千億円の余剰が出ます。この八千億円を一般財源として使っていいなんて、ユーザーは全く了解していません。本当にユーザーが了解しているという根拠があるなら、示してください」とさらに追求。
 冬柴大臣は「ユーザーの方には、最終的にはいただいた税金は道路整備に全部使われるということですから、何とかご理解を賜りたいと思います」と、根拠を示す代わりに懇願する始末。
 さらにいけぐち議員が「政府は暫定税率維持に理解を得ていると言いますが、昨年の参議院選挙で国民の信頼を得た民主党は、自動車ユーザーの声を代弁して暫定税率を廃止すべきだと主張しています。これは真っ向から対立していますが、ユーザーは民主党を支持しているのは明らかですので、政府の提案は是非取り下げていただきたい」と、政府のはっきりとした姿勢を求めたところ、
 冬柴大臣は「我々は現時点においても、提案した内容が最善のものであると思っています。暫定税率を廃止することによって、地方財政にも大きな影響を与えることになります。そういう意味から、長期的な国家百年の計に立って判断をお願いしたいと思います」と、相変わらずお願い口調での答弁だった。
 再びいけぐち議員が「しかしこの法案は、本当に自動車ユーザーの理解を得たのですか。得たのであれどういう手続きで、どういう説明なのか、根拠を示していただきたい」と、問いただしたが、
 冬柴大臣は「一千万人を超える自動車ユーザーひとりひとりに、ご理解をいただく手続きはできませんが、こういう国会の議論を通じて皆さんの要請に、どういう努力で応えたか説明するしか方法はないと思います」という埒のあかない答弁に、予算委員会の理事が割って入り、一旦審議をストップ。冬柴大臣にユーザーの理解を得ている根拠を示すように注意を促した。
 すると、冬柴大臣は「私が委員の質問に対して、ユーザーの理解を得たと言ったとすれば、これは言い過ぎですので、お詫びして訂正させていただきたいと思います。我々は理解を得られるように、誠心誠意努力させていただきます」と謝罪。
 いけぐち議員は「要するに、現段階でユーザーの理解を得ていない法律なのです。自動車ユーザーが十二兆円、消費税を抜いても十・二兆円の負担をすること、さらに十年間延長するということに対して、自動車ユーザーは全く納得していないということを確認させていただきたいと思います」と念を押した。
 さらにいけぐち議員が「道路整備中期計画の予算は、上限五十九兆円ということですが、実際に五十九兆円使うつもりなのか、本当はいくらなのか数字を聞かせてもらいたいと思います」と確認を求めると、
 冬柴大臣は「地域や国民生活の要請に応え、課題となる箇所すべてに対応することは理想ですが、それには概算でも百兆円を超える事業量が必要になります。これは財政上明らかに困難です。そこで素案では、重点対策箇所数を絞り込み、これに平均単価を乗じて算出した事業量を六十五兆円としました。さらに、厳しい財政事情を踏まえて、上限を五十九兆円まで絞り込んだわけです。上限値とはいえ、中期計画で掲げた目標達成のために、国土交通省としてはその達成に向けて最大限努力する目標額であると考えています」
 それを受けて、いけぐち議員が「今回の議論は、道路中期計画の十年間の予算を確定する話です。それに基づいて、自動車ユーザーの負担するべき暫定税率が計算される法体系ですから、希望的数値を言われても払えるものではありません。十年間で本当にどれだけの整備をするのか、そのうえでユーザーが納得して協力するという流れの中で、暫定税率が決まるべきだと思います」と本来の税率設定の在り方を強調した。そして、「この道路特定財源、道路税制の問題は受益と負担と説明されました。では、五十九兆円の計画の中身が示されていますが、この受益を受ける人は誰なのか、この点を説明いただきたいと思います」と切り込んだ。
 冬柴大臣は「受益者は広く国民一般です。例えば、中核病院までの距離を短くするために、道路を整備するという場合においても明らかです。通学路においては、受益者は子供達です。第一次的、直接的には自動車ユーザーですが、最終的には国民全体、あるいは将来の我々の子孫もその受益を受けることは間違いありません」と答弁。
 いけぐち議員は「私は今の大臣の答弁にありましたように、受益者は広く国民一般だと思っています。特に分かりやすいのは、今回『国際競争力の確保のため、基幹ネットワークの整備二十三兆円』という記述がありますが、これは自動車ユーザーが便利になるためというよりも、産業を誘致して、地方の人が豊かな生活をするためというのが主な理由になると思います。国民全体が受益者であれば、これは自動車ユーザーだけが負担する道路特定財源ではなくて、一般財源で広く国民が負担するべきだと考えます」と、受益者は自動車ユーザーだけではないことを強調し、「今日の質疑を通じて、納得できた自動車ユーザーは一人もいないと思う」と強い口調で主張して、いけぐち議員は質問を終えた。


予定の1時間を大きく超えた審議の中、
いけぐち議員の芯をとらえた質問に、言い訳ばかりで明確な答弁をしない大臣は、
理事より二度にわたる注意を受けるという異例の予算委員会となりました。
いけぐち議員は、もどかしい大臣の答弁に屈することなく、
自動車ユーザーの代表としての立場を最後まで貫きました。
今後も、いけぐち議員の活躍にご期待ください。


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